ターンテーブル改修について、具体例のご紹介です。
はじめにターンテーブルが到着次第、コンディションの確認を行います。
改修費用のお見積もりには到着後2日間お時間を頂きます。費用についてはこちらをご参照ください。
今回の例では以下の状態でした。
1) 到着時の梱包状態 : 逆さ梱包でモーター負担掛かり内部ベークワッシャ破損
2) アイドラー : 経年劣化で硬化. 使用不可
3) 変速機 : 手を加えた形跡があり、分解、調整が必要
4) アジャスター: 全て締め付けてあり、異常振動の原因
5) モーターベアリング : 調整不良でベアリング摩耗
6) 防振ゴム劣化
7) アイドラーシャフトフェルトの劣化、リテーナー無し
8) 電源コネクター無し
9) モータープーリー芯ブレのため使用不可
10)電源コード劣化
改修内容
モーター上部の部品交換(写真矢印部分)
- アイドラー劣化で硬化 --> 交換
- 防振ゴム溶けている --> 凸平交換8個
- モータープーリー芯ブレ --> アップグレードの為交換
矢印の部品を新しいパーツに交換しました。
<交換部品>
アイドラー、防振ゴム凸平、リテーナー、真鍮プーリーハンガーゴム追加、アイドラー下の油溜めフエルトリング、アイドラーシャフト油溜めフエルト(ゴミと間違えて撤去しないように)
各箇所調整、測定済み、ペイントロックしています。
<定期メンテナンス>
各部注油が必要です。使用OIL ミシン油、モーター, ターンテーブルシャフト, アイドラーシャフト各数滴、使用頻度により年1,2度、硬いOIL使用しないでください。アイドラー交換時期は約6年です。アイドラーに汚れやOILが付着した場合はアルコール等で除去してください。プラッター内周ホイールも同様にクリーニングしてください。
続いて矢印の部品を交換しました。
新規製作した真鍮ロングプーリー (写真星印)
改修に使用するアイドラーは蒸着製造品 (ゴム硬度50度) を使用します。
精度の悪い切り抜きゴムは使用しません。
モーター下部分の部品交換 (写真矢印部分)
新しく追加したモーターハンガーゴムと防振ゴム凸平がモーター回転振動を軽減します。
DEIONはステレオ時代にこの方式を採用しました。
モーター内部ベアリング交換 (写真 モーターシャフト先端部)
ベアリングは専用グリスを塗布します。下矢印は交換前の古いベアリングです。
変速機部分調整+給油
通常分解できない箇所ですが、手を加えられた形跡があるため、分解調整と給油を行いました。
アイドラー接触圧力を調整します。この部分で回転調整はできないので手を加えないでください。
操作パネルの分解調整とリペア。見た目がリフレッシュされます。
リペア前
リペア後
ターンテーブル裏側
調整箇所はロックワイヤー, ペイントロック済み
改修後は異音、振動、ゴロなどなく静かに動作するようになりました。
精密に測定調整をしていますので、手を加えないでください。
交換部品の保証については、保証期間6か月間、交換部品以外のモーター変速機等の部品は保証外になります、ご了承ください。